Rubyの開発は、Windowsでも可能ですが、やはり下記の理由でLinux上での開発がおすすめです。
- Windowsよりも、Linuxでの情報が多い。
- Rubyは基本的にLinux上で動作させることで作られているため、環境面で差異が出来る可能性がある。
今であれば、VMware Playerや、VirtualBox、Docker、Vagrant等環境面でのLinuxを開発しやすい選択肢は増えてきているので、使いやすいツールを選びましょう。
前提
Linuxでは、Rubyはデフォルトでインストールされているか、yum(yum install ruby)でインストールすることができます。
しかし、OS標準のrubyの場合は、最新版ではないことが多いです。(yumで最新化しても、OSにおける最新版になるだけです。)
最新版をインストールするには、下記の二つの方法があります。
- 手動でrubyをインストールする。
- rbenvやRVMといったRuby専用のバージョン切り替えツールを使う。
ツールを使った場合は、一つの環境に様々なバージョンのrubyをインストールして切り替えることができるので大変便利です。とりあえず今回は、手動でrubyをインストールする方法をご紹介します。
Rubyのインストール手順
1.開発ツールのインストール
rubyのインストールに必要なgcc等の開発ツールをインストールします。
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yum -y groupinstall "Development tools" |
インストール状況によりますが、このインストールには結構時間がかかります。
下記のようなメッセージが出たら完了です。
2.各種ライブラリのインストール(OpenSSL、zlib等)
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yum -y install openssl-devel zlib-devel |
下記のようなメッセージが出たら完了です。
3.rubyのダウンロード
rubyをダウンロードします。(バージョンは、2018年6月15日時点で最新の2.5.1とします。)
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cd /usr/local/src/ wget --no-check-certificate https://cache.ruby-lang.org/pub/ruby/2.5/ruby-2.5.1.tar.gz |
4.gemのダウンロード
次に、gemをダウンロードします。
gemというのは、Rubyの標準ライブラリ以外の「外部ライブラリ」のことです。
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wget --no-check-certificate https://rubygems.org/rubygems/rubygems-2.5.1.tgz |
5.Rubyをビルドします。
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tar xvfz ruby-2.5.1.tar.gz cd ruby-2.5.1 ./configure && make && make install |
上記のように表示されたらインストール成功です。
私の環境では、ビルド中にエラーが発生したので、下記のように対応しました。
RubyをCentOS6にビルドしていた(configureコマンド)際に下記のようなメッセージが大量に出力されてしまいました。
原因
どうやら、システム時刻の設定が同期されていなかったために発生していたようです。
https://blog.csdn.net/goodlixueyong/article/details/6582263
上記ページを参考にしました。
対策
下記のページを参考にして、時刻を同期したらエラーが出なくなりました。
https://qiita.com/tsu_nera/items/9be676b04b190e45b281
6.gemをビルドします。
次は、gemをインストールします。
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cd ../ tar xvfz rubygems-2.5.1.tgz cd rubygems-2.5.1 ruby setup.rb |
ただ、下記のエラーが出てしまいました。
RubyGems 2.5.1 installed
ERROR: While executing gem ... (Gem::DocumentError)
RDoc is not installed: no such file to load -- rdoc/rdoc
どうやら、rdocというパッケージがないためにgemのセットアップができないようです。
下記のようにインストールします。
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yum install rdoc |
再度、gemをセットアップします。
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ruby setup.rb |
gemを最新版にアップデートしておきます。(すみません、インストール段階で最新版を取ってくるべきでした。)
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gem update --system |
7.Rubyのインストールディレクトリにパスを通します。
また、ログイン時にパスが適用されるようにしておきます。
(ユーザーのホームディレクトリ)/.bash_profileのPATHに「/usr/local/bin」を追加します。
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# .bash_profile # Get the aliases and functions if [ -f ~/.bashrc ]; then . ~/.bashrc fi # User specific environment and startup programs PATH=$PATH:$HOME/bin:<strong>/usr/local/bin★これを追加</strong> export PATH |
一旦ログアウトして、ログインしなおしましょう。(パスが適用されます。)
下記のコマンドを打つと、先ほどビルドしたrubyのバージョンが表示されます。
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ruby -v |
プログラム(Hello World)を実行してみる。
それではためしに簡単なプログラムを実行してみましょう。
下記のようなプログラムファイルを用意します。
helloworld.rb
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puts 'Hello World!' |
実行結果
「ruby 作成したプログラム」と指定するだけでプログラムを実行させることができます。
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