バージョン管理システムの最も基本的な概念である「トランク」、「タグ」、「ブランチ」について解説します。
トランク
バージョン管理システムで、修正、変更の対象となるデータが格納されている場所のことです。
タグ
トランクのある時点での状態に名前を付けることができる機能のことです。
タグのメリット
特定時点の過去の状態を閲覧するだけであれば、リビジョンをさかのぼって日付や、コミットログや、差分を追えばタグを使わなくても見ることはできるでしょう。
しかし、そのためには、時には大量のコミットログを追わなければならなくなる場合もあります。
そうした場合に、「バージョン1.0」だったり、「初版」だったりと、わかりやすい区切りとして、タグで名前付けされていると後で確認がしやすいです。
単純なシステムであれば、「トランク」と「タグ」だけで、問題ないでしょう。
ブランチ
トランクの特定時点の状態から派生した別のもののことです。
利用場面
複数バージョンを平行して維持管理したい場合
例えば、新しいシステムを1.0版としてリリースして、次の2.0版のリリースに向けての開発が始まった場合です。
その際に、1.0版は前版として、メンテナンスを継続したいので残したいという場合もあるので、そうした場合に使えます。
トランクの内容と少し違うバージョンをリリースしたい場合
ある時点のバージョンでは不要なのに、これから開発するバージョンには入れたい機能がある場合にも利用します。
例えば、ある時点のバージョンは、日本語のみなのに、新規バージョンは海外向けの展開を考えており、英語のみの開発を進める場合等。
トランクに対して、変更を加えたいが他の人の邪魔をしたくない場合
例えば、影響範囲が広い修正をすることになった場合に、他人の作業の邪魔までしてしまいかねません。
一旦、ブランチを切って製造することで、他人の作業を気にすることなく、ソースを編集することができます。
ブランチや、タグの領域ってどうなっているの?
例えば、SVNであれば、「ブランチ」や「タグ」はリポジトリ内でコピーして作成されます。
そうすると、ファイルを更新するたびに、その分だけ容量を食いそうな気がします。
しかし、結論から申しますと、ほとんどディスク容量は食うことはありません。
これは、「簡易コピー(シャローコピー)」という手法を用いているためです。
簡易コピー(シャローコピー)とは?
コピー時に実際のコピーを行わず、コピー元となった場所に対する内部リンクのみを作成します。(ストレージ内の同じアドレスの場所を指すイメージです。)
また、ファイルを編集した場合は、「元ファイルに対する差分のみ」をコピーして、ブランチなり、タグなり作っていきます。
なので、ほとんど容量を食わないのです。
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