
Linuxでは、HDDを初めとしてあらゆるデバイスをファイルとして扱えるようにしています。
「デバイスファイル」の仕組み
Linuxカーネルが、ハードウェアを検知すると、udevという仕組みによって、「デバイスファイル」が自動生成されます。
なので、ユーザーが手動でデバイスファイルを作成する必要はないのです。
「デバイスファイル」はどこに配置されるか?
デバイスファイルは、「/dev」の直下に配置されます。
主なデバイスファイル
基本的に、HDDは、「sd~」から始まるファイル名に統一されています。
デバイスファイル | 説明 |
---|---|
sda | 1番目のハードディスク |
sda1 | 1番目のハードディスクの1番目の基本パーテーション |
sda2 | 1番目のハードディスクの2番目の基本パーテーション |
sda5 | 1番目のハードディスクの1番目の論理パーテーション |
sda6 | 1番目のハードディスクの2番目の論理パーテーション |
sda | 2番目のハードディスク |
sdc | 3番目のハードディスク |
scd0 | 1番目のCD/DVDドライブ |
sr0 | 1番目のCD-R/DVD-Rドライブ |
st0 | 1番目のテープドライブ |
パーテーションについて
パーテーションには2種類あります。
- 基本パーテーション
- 拡張パーテーション
基本パーテーション
1つのハードディスクは、複数のパーテーションに分けることができ、基本は4つに分割します。
これを「基本パーテーション」と呼びます。
例えば、「/dev/sda」であれば、基本パーテーションとして「/dev/sda1」~「/dev/sda4」と分けることが可能です。
拡張パーテーション
4つの基本パーテーションのうち、1つは「拡張パーテーション」というものにすることができます。
拡張パーテーションは、複数の論理パーテーションに分割することができます。
例えば、「/dev/sda」であれば、基本パーテーションとして「/dev/sda5以降」が論理パーテーションに該当します。
パーテーションを分割することによるメリット
システム障害に強い
ファイルシステムに障害が発生した場合でも、パーテーションを分けていれば、被害を一つのパーテーションだけにすることができる可能性が高まります。
影響範囲を局所化できる。
例えば、大量のファイルをあるパーテーションにバックアップをとるといった場合でも、一つのパーテーションだけに影響を小さく出来ます。
パーテーションを作成するには?
「fdiskコマンド」を使います。対話的に、「パーテーションの設定」をすることができます。
1 |
fdisk デバイスファイル名 |
パーテーションを作成する際の注意点
既存のパーテーションに対して、新規パーテーションを作成する際は、現在保持されているデータが破損する可能性があります。
必ず、パーテーションの作成をする場合は、事前にデータのバックアップを取るようにしましょう。
パーテーション作成後はどうするか?
また、まだパーテーションを作成しただけでは実際にファイルを格納できる状態にはなりません。
実際にデータを格納させるにはファイルシステムを構築する必要があります。
Linuxでは、ディスクをデバイスファイルと認識させ、パーテーションに分割した後に、ファイルシステムを構築する必要があります。
ファイルシステムの種類
Linuxは、様々なファイルシステムがあります。
ファイルシステム | 説明 |
---|---|
ext2 | かなり昔のLinuxファイルシステムです。今ではあまり使われていません。 |
ext3 | ext2を改良したファイルシステムです。今でも標準ファイルシステムとして搭載しているディストリビューションは多いです。 |
ext4 | ext3を改良したファイルシステムです。昨今ではかなりext4を採用したディストリビューションが増えてきています。 |
xfs | 高速で堅牢なファイルシステムです。 |
reiserfs | とにかく高速なファイルシステムです。 |
NTFS | Windowsのファイルシステムです。 |
FAT | デジカメ等でよく使われるファイルシステムです。 |
ISO9660 | CD-ROMで使われているファイルシステムです。 |
UDF | DVDで使われているファイルシステムです。 |
ファイルシステムの作成方法
ファイルシステムを作成する場合の注意点
ファイルシステムを作成する場合は、現在使われているパーテーションに記録されているデータ内容が初期化されてしまいます。
もし、既存のパーテーションを変更する場合は、必ずバックアップをとりましょう。
ファイルシステムの作成コマンド
例えば、Linuxの標準ファイルシステムである「ext3」を作成する場合は下記のコマンドを実行します。
1 |
mkfs -t ファイルシステム名 デバイスファイル名 |
例
1 |
mkfs -t ext3 /dev/sda6 |
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